復習問題 2026-10-03
記録が空いているので、今日も新しい話は足していません。直近の5問のすぐ隣だけで組んだ5問です。計算問題はありません。解けなくても、解答を開いて読むだけで今日の分は終わりです。
第1問 ネットワーク(OSI 基本参照モデルと中継装置)
LAN 内外を中継する装置のうち、ネットワーク層(第3層)のアドレスを見て転送先を決めるものはどれか。
- リピータハブ
- ブリッジ
- ルータ
- メディアコンバータ
解答
解答: c(ルータ)
装置ごとに「何を見ているか」が違う、という1点で整理できます。
| 装置 | 層 | 見ているもの |
|---|---|---|
| リピータ・ハブ | 第1層(物理層) | 何も見ない。電気信号を増幅して全ポートへ流す |
| ブリッジ・L2スイッチ | 第2層(データリンク層) | MAC アドレス。宛先がいるポートにだけ流す |
| ルータ・L3スイッチ | 第3層(ネットワーク層) | IP アドレス。別のネットワークへ渡す |
8/25 に「デフォルトゲートウェイ/ルータ/L3スイッチの区別がつかない」と書いていた点は、ここで片付きます。ゲートウェイは装置の名前ではなく役割の名前です。「自分のネットワークの外へ出るときの出口」を指す言い方で、その出口を実際に務めている機械がルータ(または L3 スイッチ)。だから「デフォルトゲートウェイのIPアドレス」は、たいてい手元のルータのIPアドレスを指しています。役割名と装置名、と分けて置けば混ざりません。
第2問 ネットワーク(DHCP のやり取り)
DHCP でクライアントが IP アドレスを自動取得するとき、やり取りされるメッセージの順序はどれか。
- DHCPOFFER → DHCPDISCOVER → DHCPACK → DHCPREQUEST
- DHCPDISCOVER → DHCPOFFER → DHCPREQUEST → DHCPACK
- DHCPREQUEST → DHCPACK → DHCPDISCOVER → DHCPOFFER
- DHCPDISCOVER → DHCPREQUEST → DHCPOFFER → DHCPACK
解答
解答: b
会話として読むと、覚えるものがなくなります。
- DISCOVER(クライアント)「IP アドレスをくれるサーバ、どこかにいませんか」
- OFFER(サーバ)「このアドレスでどうですか」
- REQUEST(クライアント)「ではそれをください」
- ACK(サーバ)「どうぞ。期限は○日です」
探す → 提案 → 申込 → 承諾の4拍です。
8/25 に「応用情報で DHCP がどこまで問われるのか掴めない」と書いていましたが、問われるのは実質この3つだけです。(1) 上の4ステップの順序、(2) 貸出に期限(リース期間)があること、(3) 最初の DISCOVER はブロードキャストで出すこと。設定ファイルの書き方のような実務寄りの話は出ません。
(3) が効いてきます。クライアントはこの時点でまだ IP アドレスを持っていないので、宛先を指定できず「全員に向かって叫ぶ」しかありません。そしてブロードキャストはルータを越えられない。だから別セグメントの DHCP サーバを使いたいときは、叫びを拾って転送してくれる DHCP リレーエージェントが必要になります(9/28 の第2問がこれでした)。順序とブロードキャストが分かっていれば、リレーエージェントは暗記ではなく結論として出てきます。
第3問 情報セキュリティ(ファイアウォールの方式)
ステートフルインスペクション型ファイアウォールの特徴として、適切なものはどれか。
- パケットのヘッダだけを1つずつ独立に調べ、送信元・宛先のアドレスとポート番号で通過させるかを判断する
- 通信の状態(コネクションの確立状況)を記憶し、内部から出した通信への応答と判断できるパケットだけを通す
- アプリケーションごとに代理のプロセスが通信を受け取り、中身を解析してから転送する
- 既知の攻撃パターンと一致する通信を検知して、管理者へ通報する
解答
解答: b
8/23 に「パケットフィルタリング型/ステートフルインスペクション型/アプリケーションゲートウェイ型が、どの層で何を見ているのか説明できない」と書いていた点です。下の層から順に、だんだん厳しくなると並べると形になります。
- a はパケットフィルタリング型(第3・4層)。昨日の第2問です。1パケットずつしか見ないので「内側から出した通信の戻り」と「外から勝手に来たパケット」を区別できません。戻りを通すために、広めに穴を開けざるを得ないのが弱点。
- b がステートフルインスペクション型(第4層+状態)。確立中のコネクションを表に持ち、「これはさっき内側から出した通信の応答だ」と言えるものだけ通します。だから穴を最小にできる。これが今の標準。
- c はアプリケーションゲートウェイ型(プロキシ型)(第7層)。中身まで読むので最も厳しいが、重く、アプリごとに用意が必要。
d は IDS(侵入検知システム)で、そもそも通す/通さないを決める装置ではありません。検知して知らせるだけ。遮断までやるものが IPS です。選択肢に混ぜられやすいので、「ファイアウォール=通行の可否を決める」「IDS/IPS=攻撃かどうかを見る」で線を引いておきます。
覚える順序は a(ヘッダだけ)→ b(ヘッダ+状態)→ c(中身まで)。見る範囲が広がるほど厳しく、そして重くなる、という一方向の並びです。
第4問 データベース(外部キー)
関係データベースの外部キーに関する説明として、適切なものはどれか。
- 表の中で行を一意に識別できる列(または列の組)で、値の重複と空値が許されない
- 他の表の主キーを参照する列で、参照先に存在しない値を入れることができない
- 検索を高速化するために、列の値と行の格納位置を対応づけた構造
- 表のすべての列を組み合わせた、必ず一意になる候補キー
解答
解答: b
a は主キーの説明です。c はインデックスで、そもそもキーではありません(速くするための裏方の仕組み)。
b の外部キーは、具体例で持つと速いです。「注文」表に顧客ID列があり、それが「顧客」表の主キーを指している——これが外部キー。すると顧客表にいない顧客IDの注文は作れません。この「参照先が必ず存在すること」を守らせる決まりが参照整合性制約です。
そして逆向きも効きます。顧客表からある行を削除しようとしたとき、その顧客の注文が残っていれば削除は拒否される(あるいは ON DELETE CASCADE の指定があれば注文も一緒に消える)。「宛先のない注文を残さない」ための仕組み、と読めば自然です。
ひとつ注意だけ。「外部キー」と、昨日の第4問の「外部結合」は、名前が似ているだけで別の話です。外部キーは表と表のつながりを守る制約、外部結合は結合するときに相手のいない行も残す書き方。混ざりやすいので、ここだけは切り離しておいてください。
第5問 情報システム開発(テストの分類)
ホワイトボックステストに該当するものはどれか。
- 仕様書の入力条件を同値クラスに分け、各クラスの代表値を入力して出力が仕様どおりかを確認する
- プログラムの内部構造に着目し、すべての分岐が少なくとも1回は実行されるようにテストデータを作る
- 利用者が実際の業務データを使い、発注から納品までの流れが業務として成立するかを確認する
- 変更を加えた後、既存の機能が壊れていないことを確認するために、以前のテストを再実行する
解答
解答: b
分かれ目は「中身が見えているか」の一点だけです。
- ブラックボックステスト=中身を見ない。仕様書だけを見て、入力と出力で確かめる。a の同値分割がこれです(限界値分析も同じ仲間。「0以上100以下」なら 0 と 100、その外の -1 と 101 を狙う、という境界の攻め方)。
- ホワイトボックステスト=中身を見る。コードの分岐や経路を基準にして、どれだけ通せたかを網羅率(カバレッジ)で測る。命令網羅・判定条件網羅などの語がここに属します。
c と d はどちらもホワイト/ブラックとは別の軸の分類で、だから正解になりません。c は運用テスト(受入テスト)——誰がどの段階でやるかの軸。d は回帰テスト(リグレッションテスト)——何のためにやるかの軸です。
軸が複数あることを知っておくと、この種の問題で迷わなくなります。9/28 の第5問に出たスタブ・ドライバも、また別の軸(結合テストで、まだ無い部分を仮の部品で埋める話)でした。
テスト工程は午後の問8(情報システム開発)でも定番です。用語を増やすより、軸ごとに2〜3語ずつ持っておくほうが本番で効きます。