復習問題 2026-10-19
計画上の試験日(2026-10-18)を過ぎました。今日からは点を取るための詰め込みではなく、 開いたままの穴を閉じるための4問です。
4問とも、8月の記録に「分かっていない」と書いたまま一度も閉じていない項目から作りました。 出典は 08-22(VLAN)・08-23(ファイアウォールの方式)・08-25(ゲートウェイ、DHCP)です。 ネットワークは記録に残っている中でいちばん正答率が低かった分野(08-25・25問中15問で30%)でもあります。 計算は1問もありません。
第1問(ネットワーク)
PC における「デフォルトゲートウェイ」の説明として、最も適切なものはどれか。
- 同じサブネット内のホストへ直接パケットを届けるために参照する機器
- 自分のサブネット外のあて先へパケットを送るとき、PC が最初にパケットを渡す機器
- ドメイン名を IP アドレスに変換する機器
- IP アドレスを各ホストへ自動で配布する機器
解答
b
ゲートウェイは 「出口」 です。PC はあて先 IP とサブネットマスクを見て、 あて先が自分と同じサブネットなら直接送り、違うサブネットなら中身を見ずにデフォルトゲートウェイへ丸投げします。 あとは任せる、という一点だけが役割です。
「ルータ/L3 スイッチ/デフォルトゲートウェイの区別がつかない」と書いていましたが、 並べて比べるものではありません。ルータと L3 スイッチは機器の種類、 デフォルトゲートウェイはその機器が担う役割の名前です。同じ1台が両方に当てはまります。
| 用語 | 何を指すか |
|---|---|
| ルータ | 機器。異なるネットワークをつなぐのが本業。WAN 側(インターネットとの境界)で使う |
| L3 スイッチ | 機器。スイッチ(L2)にルーティング機能を足したもの。LAN 内のセグメント間を高速に転送する用途 |
| デフォルトゲートウェイ | 役割。「外へ出るときの預け先」。実体はルータでも L3 スイッチでもよい |
c は DNS、d は DHCP(第2問)です。
第2問(ネットワーク)
DHCP サーバがクライアントへ配布する情報の組合せとして、最も適切なものはどれか。
- IP アドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNS サーバのアドレス
- クライアントの MAC アドレス
- ドメイン名に対応する IP アドレス
- サーバの公開鍵証明書
解答
a
「応用情報でどこまで問われるのか掴めなかった」と書いていましたが、問われるのはほぼ2点だけです。
- 何を配るか — IP アドレス単体ではなく、通信を始めるのに必要な設定が一式で降りてきます。 アドレス(自分は誰か)・サブネットマスク(どこまでが身内か)・デフォルトゲートウェイ(外への出口は誰か・第1問)・DNS(名前を誰に聞くか)。 この4つが揃って初めて通信できるので、まとめて配る仕組みになっています。
- まだ IP アドレスを持たない状態で探す — だから最初の DISCOVER はブロードキャストです。 DISCOVER → OFFER → REQUEST → ACK の4往復(DORA)。配布にはリース期間があり、期限前に更新要求を出します。
b は逆向き(MAC アドレスはクライアントが持っていて、サーバは誰に配ったかの管理に使う)。c は DNS、d は認証局(CA)の領域です。
第3問(ネットワーク)
VLAN の説明として、最も適切なものはどれか。
- 複数の物理回線を束ねて1本の論理回線として扱う
- 1台のスイッチのポートを、複数の独立した論理的なネットワークに分割する
- プライベート IP アドレスをグローバル IP アドレスに変換する
- 公衆網の上に暗号化されたトンネルを作る
解答
b
「VLAN の知識がない」が初日(08-22)から開いたままでした。 一言でいえば 「1台のスイッチを、複数台のスイッチに見せる」技術です。 物理的に同じスイッチにつながっていても、別の VLAN に属するポートどうしは直接通信できません。 配線を引き直さずに、設定だけで部署ごと・用途ごとにネットワークを分けられるのが利点です。
a はリンクアグリゲーションで、08-25 に「細いストローを束ねて太くする」と書いたとおり束ねる技術—— VLAN は逆に分ける技術です。c は NAT、d は VPN(名前が似ていますが別物)。
ここが第1問とつながります。VLAN で分けたネットワークどうしが通信するには L3 の機器が必要で、 その役目を担うのが L3 スイッチやルータ、つまり各 VLAN から見たデフォルトゲートウェイです。 なお、1本のケーブルで複数 VLAN の通信を運ぶときは、フレームに VLAN 番号の札を付けます(タグ VLAN・IEEE 802.1Q)。
第4問(情報セキュリティ)
ステートフルインスペクション型ファイアウォールの説明として、最も適切なものはどれか。
- パケットの IP アドレスとポート番号を、あらかじめ定めた静的なルールと照合して通過を判断する
- コネクションの状態を記録し、内部から出た通信に対応する戻りのパケットだけを通過させる
- アプリケーション層のデータの中身まで解析し、プロトコルごとに通信を中継する
- ディジタル署名を検証して、パケットの改ざんを検知する
解答
b
「それぞれ OSI のどの層で何を見ているのか説明できない」(08-23)への答えは、 層が上がるほど見える情報が増え、その代わり遅くなるという一本の軸で整理できます。
| 方式 | 主に見る層 | 判断の材料 |
|---|---|---|
| パケットフィルタリング型 | L3・L4 のヘッダ | 送信元/あて先の IP アドレスとポート番号。1パケットを単発で静的ルールと照合する |
| ステートフルインスペクション型 | L3・L4 + 通信の状態 | 上に加えて「この通信は内部から始まったものか」。前後のつながりを覚えている |
| アプリケーションゲートウェイ型 | L7 | データの中身。通信を中継(代理)するのでプロキシ型とも呼ぶ |
違いは 「1枚ずつ見るか、流れとして見るか、中身を読むか」です。 パケットフィルタリングは1パケットずつしか見ないため、戻りの通信を通すには広めの穴を静的に開けるしかありません。 ステートフルは内部から出た通信を覚えておき、それに対応する戻りだけを通すので、 外から勝手に始まった通信を自動的に弾けます。現在の標準がこの方式です。
d はファイアウォールの仕事ではありません(IPsec などの役割)。
この4問は、記録が途切れていた間ずっと開いたままだった穴です。 試験の結果がどうであれ、ここは埋めておくと実務でそのまま効きます。 第1問と第3問はひと続きの話なので、まとめて読むと通りがいいです。