復習問題 2026-09-20
4問です。昨日の記録が無いので、記録上いちばん正答率が低いネットワーク(8/25・30%)と、8/23 に「つまずいた」と書いたまま一度も出していなかった管理体制の用語から出しています。
第1問 ネットワーク(VPN・IPsec)
IPsec のトンネルモードの説明として、最も適切なものはどれか。
- 元の IP パケット全体を暗号化し、その前に新しい IP ヘッダを付け直して転送する。
- 元の IP ヘッダはそのまま使い、その後ろのペイロード部分だけを暗号化して転送する。
- TCP コネクションの確立後に、アプリケーション層でデータを暗号化して転送する。
- パケットの送信元が正しいことを認証するだけで、暗号化は一切行わない。
解答
a
トンネルモードは「元のパケットを丸ごと封筒に入れて、封筒に新しい宛名を書く」方式です。元の IP ヘッダごと暗号化されるので、本当の送信元・宛先は外から見えません。外側の新しい IP ヘッダには VPN 装置(ゲートウェイ)同士のアドレスが入ります。拠点間 VPN で使われるのはこちらです。
b はトランスポートモードの説明です。元の IP ヘッダが残るので通信相手は外から見え、ホスト同士を直接結ぶ場合に使います。2つの違いは「ヘッダまで隠すか、中身だけ隠すか」の一点に尽きます。
c は TLS(SSL-VPN)の説明です。IPsec がネットワーク層(IP そのもの)を守るのに対し、TLS はもっと上の層で守るため、アプリケーションを選ぶ代わりに専用ソフトが要りません。d は AH(認証ヘッダ)に寄せた誤りの説明で、IPsec で暗号化まで行うのは ESP です。
試験対策としては 「AH=認証のみ/ESP=暗号化もする」「トンネル=ヘッダごと/トランスポート=中身だけ」 の2組だけ覚えれば足ります。
第2問 情報セキュリティ管理(データオーナ)
情報システムにおけるデータオーナの役割として、最も適切なものはどれか。
- データベースの物理設計を行い、バックアップと性能監視を担当する。
- 自部門が所管するデータについて機密区分を定め、アクセス権限の付与を承認する。
- サーバの OS やミドルウェアの設定を行い、セキュリティパッチを適用する。
- アクセスログを点検し、統制が有効に機能しているかを独立した立場で評価する。
解答
b
8/23 に「データオーナ周りの知識体系そのものが無い」と書いてあった箇所です。覚えることは多くなく、「誰が決めるのか」と「誰が作業するのか」を分ける、これだけです。
| 役割 | やること | ひとこと | 選択肢 |
|---|---|---|---|
| データオーナ(データ所有者) | 機密区分の決定、アクセス権の承認、データの正確性への責任 | 決める人。多くは業務部門の責任者 | b |
| データ管理者(DBA) | 論理・物理設計、バックアップ、性能監視 | データを預かって面倒を見る人 | a |
| システム管理者 | OS・ミドルウェアの設定、パッチ適用、アカウント作成の実施 | 基盤を動かす人 | c |
| システム監査人 | 統制が機能しているかを独立した立場で評価 | チェックする人。作業には関与しない | d |
要点は 「アクセス権を承認するのはデータオーナ、実際にアカウントを作るのはシステム管理者」という分離です。承認と実施を同じ人がやってはいけない、という職務分掌の考え方そのもので、午後 問11(システム監査)でも繰り返し問われます。計画で「対策コストが最も安い本命」に挙げた分野なので、ここは拾っておく価値があります。
第3問 情報セキュリティ(認証)
利用者認証における多要素認証に該当する組合せはどれか。
- パスワードと、「秘密の質問」への答え
- パスワードと、IC カード
- 指紋と、虹彩(目の模様)
- 利用者 ID と、パスワード
解答
b
認証の要素は3種類しかありません。
- 知識(利用者が知っているもの)— パスワード、暗証番号、秘密の質問
- 所持(利用者が持っているもの)— IC カード、スマートフォン、ワンタイムトークン
- 生体(利用者自身の特徴)— 指紋、虹彩、静脈、声紋
多要素認証は、このうち異なる種類を2つ以上組み合わせたものを指します。b は 知識+所持 なので該当します。
引っかけは a と c です。パスワードと秘密の質問はどちらも知識、指紋と虹彩はどちらも生体なので、2つ使っていても「多要素」ではなく「多段階」にすぎません。覚え方は「種類が2つで多要素、回数が2回なら多段階」。d は ID が認証要素ではない(名乗っているだけ)ので、そもそも1要素です。
第4問 ネットワーク(TCP と UDP)
UDP の特徴として、最も適切なものはどれか。
- 3ウェイハンドシェイクでコネクションを確立してからデータを送信する。
- 順序制御と再送制御によって、データの到達と順序を保証する。
- コネクションを確立せずに送信するため、ヘッダが小さくオーバヘッドが少ない。
- ウィンドウサイズを通知し合うことで、送信するデータ量を調整する。
解答
c
a・b・d はいずれも TCP の特徴です。TCP は「確実に届けるために手間をかける」、UDP は「手間を省いて速く投げる」と対比すると、選択肢はほぼ機械的に切れます。
| TCP | UDP | |
|---|---|---|
| コネクション | あり(3ウェイハンドシェイク) | なし |
| 到達・順序の保証 | する(確認応答と再送) | しない |
| 流量制御 | する(ウィンドウ制御) | しない |
| ヘッダ長 | 20バイト以上 | 8バイト |
| 主な用途 | HTTP、SMTP、FTP | DNS、DHCP、VoIP、動画配信 |
ここは 8/23 の記録とつながります。「DNS は UDP で動くから応答を偽装されうる(DNS キャッシュポイズニング)」と書いてありましたが、その根拠がこの表です。コネクションを張らないので「この応答は本当にさっき問い合わせた相手からか」を確かめる仕組みが弱く、だから送信元ポートのランダム化で当たりにくくする、という話につながります。
第2問は 8/23 の記録に残っていたつまずきです。約1か月ぶりの出題になりますが、ここは暗記量が少ないわりに午後 問11 でそのまま効くので、今日拾っておきます。
第1問と第4問はネットワーク(記録上の最低正答率 30%)から。どちらも「2つの方式を対比して覚える」形にしてあります。