復習問題 2026-10-06
全5問・4択。計算は1問もありません。第1問だけ 8/22 に「毎回あいまい」と書いていた公開鍵の使い分け、残り4問はマネジメント系・ストラテジ系から、表1枚で答えが出るものを選びました。
第1問 情報セキュリティ(デジタル署名でどの鍵を使うか)
A 社が B 社へ契約書のファイルを送る。B 社が「これは確かに A 社が送ったもので、途中で改ざんされていない」と確認できるようにしたい。A 社はファイルのハッシュ値を、どの鍵で暗号化して添付すべきか。
- A 社の公開鍵
- A 社の秘密鍵
- B 社の公開鍵
- B 社の秘密鍵
解答
解答: b(A 社の秘密鍵)
8/22 の記録に「公開鍵暗号の『どちらの鍵で暗号化するか』が毎回あいまい」と書いてあったので、そこを1問にしました。混ざる原因は、公開鍵暗号には目的が2つあるのに、同じ「公開鍵暗号」という名前で呼ぶところです。目的ごとに分けて覚えます。
| 目的 | 送る側が使う鍵 | 受け取る側が使う鍵 |
|---|---|---|
| 秘密にしたい(暗号化) | 相手の公開鍵 | 自分の秘密鍵 |
| 本人確認したい(署名) | 自分の秘密鍵 | 相手の公開鍵 |
見分け方は「誰にできてほしいか」の一言です。
- 暗号化は「その人だけが読める」ようにしたい。だから、その人だけが持っている鍵(秘密鍵)で開く形にする。よって閉めるのは公開鍵。
- 署名は「その人だけが作れる」ようにしたい。だから、その人だけが持っている鍵(秘密鍵)で作る形にする。よって検証は公開鍵。
今回は「確かに A 社が送った」の確認なので署名です。A 社だけが持つ秘密鍵で作るから b。c は「B 社だけが読める」ようにする暗号化のやり方で、目的が違います。a と d は、そもそも自分の手元に無い鍵/相手が検証に使えない鍵なので候補になりません。
本番でこの形が出たら、まず問題文が「秘密にしたい」なのか「本人だと示したい」なのかを探してください。そこが決まれば上の表の1行を見るだけです。午後の問1(必須)でも、この区別は毎回どこかで効きます。
第2問 情報セキュリティ管理(リスク対応の4分類)
ランサムウェアによる事業停止に備えてサイバー保険に加入し、被害が出た場合の損失の一部を保険会社に負担してもらうことにした。このリスク対応はどれか。
- リスク回避
- リスク移転
- リスク低減
- リスク保有
解答
解答: b(リスク移転)
保険・外部委託・クラウドへの預け替えは、損失を他者に引き受けてもらう形なので移転です。4つは表で持っておくと、選択肢を読んだ瞬間に決まります。
| 対応 | やること | 例 |
|---|---|---|
| 回避 | 原因ごとやめる | その事業から撤退する、機能を提供しない |
| 移転 | 損失を他者に渡す | 保険、外部委託 |
| 低減 | 確率や被害を小さくする | バックアップ、多要素認証、暗号化 |
| 保有 | 受け入れて何もしない | 影響が小さいので対策費をかけない |
間違えやすいのは移転と低減です。「対策した」感じがどちらにもあるので迷いますが、分かれ目はリスクそのものが減ったかです。保険に入ってもランサムウェアに感染する確率は1ミリも下がりません。減ったのは自社が負担する金額だけ。これは移転です。バックアップを取ると被害額そのものが小さくなるので、こちらが低減。
a の回避は「やめる」なので、保険とは真逆(やめずに続ける前提)です。d の保有は「何もしない」なので、保険料を払っている時点で当てはまりません。
第3問 サービスマネジメント(インシデント管理と問題管理)
利用者から「メールが送信できない」と連絡を受けたサービスデスクが、原因の特定より先に代替の送信手段を案内し、利用者の業務を再開させた。この活動はどれか。
- インシデント管理
- 問題管理
- 変更管理
- 構成管理
解答
解答: a(インシデント管理)
ここは目的が違うだけの4つで、言葉が似ているので表で区切ります。
| 活動 | 目的 | 合言葉 |
|---|---|---|
| インシデント管理 | とにかく早く復旧させる | 今すぐ動かす |
| 問題管理 | 根本原因を突き止め再発を防ぐ | 二度と起こさない |
| 変更管理 | 変更を安全に実施する | 壊さずに直す |
| 構成管理 | 機器や構成の情報を正しく保つ | 台帳を合わせる |
決め手は問題文の「原因の特定より先に」です。原因を後回しにして業務を戻しているので、目的は復旧。これがインシデント管理です。ここで案内した代替手段は暫定対応(ワークアラウンド)と呼ばれ、これもインシデント管理の中の話。
b の問題管理は、この後「そもそもなぜ送れなかったのか」を調べて恒久対策を打つ段です。同じ事象に対して、時間軸で役割が切り替わると捉えると混ざりません。「直ったけど原因は分からない」で終わるのがインシデント管理、「原因はこれで、こう直す」までやるのが問題管理です。
この分野は午後の問10(サービスマネジメント)=計画で保険に置いた問で、ほぼこの用語の運用だけで読めます。午前でも毎回1〜2問出ます。
第4問 経営戦略(PPM の4象限)
PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)において、市場成長率が低く、相対的市場シェアが高い事業はどこに位置付けられるか。
- 花形
- 金のなる木
- 問題児
- 負け犬
解答
解答: b(金のなる木)
縦軸が市場成長率、横軸が相対的市場シェアの4象限です。表で一度書けば終わります。
| シェア 高 | シェア 低 | |
|---|---|---|
| 成長率 高 | 花形 | 問題児 |
| 成長率 低 | 金のなる木 | 負け犬 |
名前だけで覚えると本番で左右が入れ替わるので、お金の流れで理解しておくのが安全です。
- 成長率が高い=投資が必要(市場が伸びているので設備も広告も追加で要る)
- シェアが高い=稼げる
この2つを掛け合わせると、成長率が低くシェアが高い=追加投資は要らないのに稼げる、つまり手がかからず金が入ってくる。だから「金のなる木」で、ここで得た資金を問題児や花形に回すのが PPM の狙いです。
a の花形は稼げるが投資も要る(差し引きで手元に残りにくい)。c の問題児は投資が要るのに稼げていない状態で、花形に育てるか撤退するかの判断対象。d の負け犬は投資も稼ぎもなく、撤退の候補です。昨日の SWOT と同じく表1枚で1問取れるタイプの問題です。
第5問 システム監査(監査人の独立性)
システム監査人に求められる要件として、最も適切なものはどれか。
- 監査で検出した不備について、監査人自らが改善策を設計し実施する
- 監査対象の部門から独立した立場で、客観的に評価・報告する
- システムを最も熟知している開発部門の責任者が、自部門を監査する
- 監査の結論は、監査対象部門の責任者の同意が得られた範囲で報告する
解答
解答: b
システム監査の問題は、知識ではなく立場の原則を問うものがほとんどです。原則は2つだけ。
- 独立性:監査する相手から独立していること(外観上も、精神上も)
- 監査人は「評価して報告する」まで。直すのは監査対象部門の仕事
この2行で4択が全部切れます。a は原則2に反します。自分が作ったものを自分で監査することになり、次の監査で独立性が失われる(これを自己監査といいます)。改善策は勧告するところまでが監査人で、設計と実施は相手側です。
c は原則1に反します。自部門を監査するのは独立性の真っ向からの否定で、「詳しいから適任」という一見もっともらしい理由が付けられるのが引っかけどころ。詳しさは独立性を上書きしません。
d は報告の独立性に反します。相手の同意で結論を削るなら、監査報告の意味がありません。
計画で午後の本命に置いた問11(システム監査)は、まさにこの原則を文章で書かせる問題が中心です。計算が無く、定型表現で書けるので対策コストが一番安い。午前のこの手の1問は、そのまま午後の得点源の下地になります。