復習問題 2026-10-20
昨日の4問(デフォルトゲートウェイ・DHCP・VLAN・ファイアウォールの方式)の続きです。 昨日は「それぞれが何か」を1問ずつ確認しました。今日はその4つをつなぐ4問です。
分野はネットワークに固定しています。記録に残っている中でいちばん正答率が低かった分野 (08-25・15問で30%)であり、ここだけが伸びしろとして残っているからです。 計算は第4問に1つだけ、暗算で終わる形で入れています。
第1問(ネットワーク)
OSI 基本参照モデルにおいて、中継機器が扱う層の組合せとして最も適切なものはどれか。
- リピータ:物理層 / L2 スイッチ:データリンク層 / ルータ:ネットワーク層
- リピータ:データリンク層 / L2 スイッチ:ネットワーク層 / ルータ:トランスポート層
- リピータ:物理層 / L2 スイッチ:ネットワーク層 / ルータ:データリンク層
- リピータ:データリンク層 / L2 スイッチ:物理層 / ルータ:ネットワーク層
解答
a
昨日「ルータと L3 スイッチは機器の種類、デフォルトゲートウェイは役割の名前」と整理しました。 その機器の種類を並べる軸がこれです。どの層のアドレスを見て転送先を決めるか、それだけで決まります。
| 機器 | 層 | 何を見て転送するか |
|---|---|---|
| リピータ/ハブ | 物理層(L1) | 何も見ない。受けた信号を増幅して全ポートに流すだけ |
| ブリッジ/L2 スイッチ | データリンク層(L2) | MAC アドレス。どのポートの先にどの MAC がいるかを学習し、必要なポートだけに送る |
| ルータ/L3 スイッチ | ネットワーク層(L3) | IP アドレス。ルーティングテーブルを見て別ネットワークへ中継する |
覚え方は 「L1 は垂れ流し、L2 は MAC で仕分け、L3 は IP で乗り換え」です。 昨日の第3問につながります。VLAN は L2 の分割なので、分けた VLAN どうしをつなぐには 1つ上の層(L3)の機器が必要——これが L3 スイッチやルータ、各 VLAN から見たデフォルトゲートウェイでした。
第2問(ネットワーク)
ARP の説明として、最も適切なものはどれか。
- ドメイン名から IP アドレスを求める
- IP アドレスから、同一ネットワーク上のホストの MAC アドレスを求める
- MAC アドレスから、そのホストに割り当てる IP アドレスを求める
- 経路情報を隣接ルータと交換し、ルーティングテーブルを作る
解答
b
第1問で「L2 は MAC で仕分け、L3 は IP で乗り換え」と分けました。すると宛先の IP は分かっているのに、 同じ LAN 内では MAC が分からないと1歩も送れないという隙間が生まれます。この隙間を埋めるのが ARP です。
手順は単純で、「この IP の人、MAC 教えてください」と LAN 全体にブロードキャストし、
本人だけがユニキャストで答える。結果は ARP キャッシュに一定時間とっておきます
(arp -a で見られます)。
ここが昨日の第1問・第2問と1本につながります。
- 宛先が同じサブネットなら → その宛先 IP の MAC を ARP で引いて直接送る
- 宛先が別のサブネットなら → 宛先の MAC は引けない(ARP はブロードキャストなのでサブネットを越えない)。 代わりにデフォルトゲートウェイの MACを ARP で引き、そこへ渡す
つまり IP は最終目的地、MAC は次の1区間。宛先 IP は変わらないまま、MAC だけがルータを越えるたびに書き換わります。 a は DNS、c は DHCP(逆向きの発想。古い RARP が近い)、d は RIP や OSPF などのルーティングプロトコルです。
第3問(ネットワーク)
DNS の問合せや DHCP が、TCP ではなく主に UDP を使う理由として、最も適切なものはどれか。
- UDP は再送制御を行うため、パケットの到達が保証されるから
- やり取りが1往復で終わる短い通信であり、コネクション確立の手間を省いて応答を速くできるから
- UDP は通信内容が暗号化されるため、安全性が高いから
- UDP はブロードキャストが禁止されており、通信相手を限定できるから
解答
b
TCP と UDP の違いは「信頼性を取るか、速さと手軽さを取るか」の一点です。
| TCP | UDP | |
|---|---|---|
| 接続 | コネクション型。3ウェイハンドシェイクで確立してから送る | コネクションレス型。いきなり送る |
| 到達保証 | 確認応答と再送、順序の整列あり | なし。届かなければ届かないまま |
| 向く通信 | Web、メール、ファイル転送(欠けたら困る) | DNS、DHCP、音声・映像(VoIP)(速さ優先、欠けても困らない) |
DNS の問合せは「このドメインの IP は?」「これです」の1往復で終わります。 そのために3ウェイハンドシェイクで3パケット使ってから本題に入るのでは、手間が本体を上回ります。 届かなければアプリ側がもう一度聞けばよいので、UDP のほうが合理的です。
DHCP はさらに事情があり、そもそも自分の IP アドレスをまだ持っていない状態で ブロードキャストして探す(昨日の第2問・DORA)ので、1対1の接続を前提とする TCP では成り立ちません。
なお DNS もゾーン転送や応答が大きいときは TCP を使います。 そして「DNS が UDP で動くからレスポンスの偽装が成立しうる」——これが 08-23 に書いた DNS キャッシュポイズニングの土台でした。 対策が送信元ポートのランダム化と DNSSEC だった理由も、ここから follow できます。 a は TCP の性質、c は誤り(UDP に暗号化機能はない)、d も誤り(ブロードキャストを使えるのはUDP のほうです)。
第4問(ネットワーク)
PC の IP アドレスが 192.168.10.20、サブネットマスクが 255.255.255.192 であるとき、 この PC がデフォルトゲートウェイを経由せずに直接パケットを届けられる宛先はどれか。
- 192.168.10.70
- 192.168.10.60
- 192.168.11.20
- 192.168.10.200
解答
b
昨日の第1問は「別のサブネットならデフォルトゲートウェイへ丸投げする」でした。 その「同じかどうか」をどう判定しているかが、この問題です。 08-25 に「サブネットの意味を理解した」と書いたので、今日はそれを1回だけ使います。
マスクの末尾 192 = 11000000。上位2ビットがネットワーク部なので、 第4オクテットは 64 ごとに区切られます。
| ブロック | 範囲 |
|---|---|
| 1つ目 | .0 〜 .63 |
| 2つ目 | .64 〜 .127 |
| 3つ目 | .128 〜 .191 |
| 4つ目 | .192 〜 .255 |
自分は .20 なので1つ目(.0〜.63)の住人です。したがって同じブロックにいるのは b の .60 だけ。a の .70 は2つ目、d の .200 は4つ目のブロックで、 同じ 192.168.10.x に見えても別ネットワークです。c は第3オクテットが違うので当然別です。
a と d が引っかけで、ここが 「見た目が近いことと、同じサブネットであることは無関係」という要点です。 PC は毎回この 64 の割り算を内部でやって、直接送るかゲートウェイに渡すかを決めています。 昨日の4問と今日の4問は、結局この1つの判断を取り囲んでいた、という話です。
(補足:1ブロック 64 個のうち、先頭はネットワークアドレス、末尾はブロードキャストアドレスなので、 ホストに使えるのは 62 個です。)
昨日の4問が「部品の名前」なら、今日の4問は「部品のつながり」です。 第2問の「IP は最終目的地、MAC は次の1区間」と第4問の 64 の区切りが入ると、 昨日のデフォルトゲートウェイの話が暗記ではなく手順として読めるようになります。
解けなくても気にしなくて大丈夫です。解説だけ読み流しても今日は達成です。